オークスが5月24日(日曜日)に行われます。
デアリングタクトが圧倒的な人気を集めていますね。人気に応えて桜花賞との2冠を達成できるでしょうか。
この記事では、
- コースの特徴・レース展開予想
- 前哨戦の短評とレベル
- 出走馬の特徴
を考えていきます。
G1 オークス
東京競馬場(Bコース) 芝2400m 牝馬限定
コースの特徴
1コーナーに入ると向正面の途中まで緩やかな下り坂。その後、高低差約1.5mの坂を上り、またすぐに下り坂を迎える。3コーナーの途中まで続く。
広いコースで直線が長いこともあって、余程のスローペースでない限り、途中でペースが一気に上がることは考えづらい。
最後の直線は約526m、高低差2mの上り坂もある。
コースを1周する間に坂を2回上るので、タフさが求められる。
また、東京の芝は速い時計が出やすく瞬発力も必要になる。
レース展開予想
スマイルカナが逃げることになるだろう。距離を考えてペースは落としたいだろうが、前走1600mの馬も多く折り合いがつかない馬もいるかもしれない。
スロー~ミドルペースになると予想しているが、各馬の出方次第でペースは変わってくる。
タフな舞台なので、スローになったとしても差し馬の出番もあるだろう。
前哨戦・参考レース
オークスの出走馬が走った前哨戦・ステップレースについて振り返ります。
◆4/12 忘れな草賞・リステッド 阪神 2000m
1着 ウインマイティー 2:03.6(稍重)
3着 リリーピュアハート
スローペース。緩い馬場への適性が求められた。
◆4/12 桜花賞・G1 阪神 1600m
1着 デアリングタクト 1:36.1(重)
3着 スマイルカナ
4着 クラヴァシュドール
5着 ミヤマザクラ
6着 サンクテュエール
7着 フィオリキアリ
8着 マルターズディオサ
10着 リアアメリア
11着 チェーンオブラブ
12着 マジックキャッスル
14着 インターミッション
16着 ウーマンズハート
レースの上がり3Fが38.1とかなり掛かっていてすごくタフなレース。どのポジションにいてもスタミナや持久力、精神力、能力がないと上位までは来られなかった。
雨で重くなった馬場への適性も求められた。
▼桜花賞の詳しい回顧はこちらの記事に書いています
◆4/26 フローラS・G2 東京 2000m
1着 ウインマリリン 1:58.7
2着 ホウオウピースフル
ハイペース。真ん中より前のポジションにいた馬たちで決着。
風の影響もあり瞬発力が発揮しづらい条件だった。
▼フローラSの詳しい回顧はこちらの記事に書いています
◆5/3 スイートピーS・リステッド 東京 1800m
1着 デゼル 1:47.1
スローペース。レースの上がり3F33.5の瞬発力勝負。
メンバー的にはそこまでレベルの高いレースではなかったが、勝ち馬の末脚、強さが目立つレースだった。まだ余裕がある走りだった。
出走馬の特徴
1 デゼル レーン騎手
【長所・強み】
- 長く良い脚を持続させることができる
- 今のところ折り合いに不安がない
【短所・不安点】
- スタートが速くない
【馬場適性】
- 重馬場は未知だが、デビュー戦で稍重馬場をこなしているので多少の道悪は大丈夫。
折り合いに不安を見せていないのは強み。あとは今までより相手がかなり強くなるので、太刀打ちできるか。未知の実力に賭けてみても面白い。
2 クラヴァシュドール M.デムーロ騎手
【長所・強み】
- 操縦性が高くどんな競馬でもできる
⇒道中脚を溜めた方が直線で良い脚が使えている印象。
【短所・不安点】
- ここ2走、馬体重が減り続けているのは気になる点
【馬場適性】
- 2歳時に1600mを1分32秒台で走っていて、速い時計は歓迎か。道悪は前走でこなしてはいるが、良馬場の方が向いていそう。
安定感はあるが勝ちきれない。思い切って後方からの競馬を試してみて欲しい。
3 アブレイズ 藤井騎手
【長所・強み】
- 先行して粘り強い
【短所・不安点】&【馬場適性】
- 2戦しか走っておらず、課題が見えていないのが不安な所
2戦目でいきなり重賞を勝つのはなかなかできることではない。経験していないことが多く不安もあるが、未知の実力に賭けても面白い。
4 デアリングタクト 松山騎手
【長所・強み】
- 加速が速く、瞬発力はかなりのもの
- 前走、初重賞挑戦・重馬場のタフな競馬をこなしていきなりG1を勝つのは、能力が高く精神面も強い証拠
【短所・不安点】
- だんだんと走る事への前向きさが出て、掛かるようになってきた。前走から距離が800m延びるので、折り合いがつくかが課題となる。
⇒促して前目のポジションを取りに行くとは考えづらい。
- 敏感にもなっているので、スムースな競馬をしたい
- 関東へは初輸送
【馬場適性】
- 道悪適性が高いのは前走で証明済み。速い馬場は未知だが、瞬発力に優れているのでこなせそう。
折り合いがつけば3歳牝馬同士なら2400mもこなせそう。精神面も強い馬なので2冠を達成してもおかしくない。
5 ホウオウピースフル 内田騎手
【長所・強み】
- 掛かっても最後まで走れるのを見るとスタミナがあるし、能力もある。
【短所・不安点】
- 掛かる面があり、前走はハイペースでも力んでいた。前走から距離が400m延びるのは心配な点。
【馬場適性】
- 道悪適性は未知。
内枠を引いて、前走他馬に囲まれて競馬をした経験が今回活きそうなイメージは湧く。
しかし、折り合い面に課題があり、道中でどこまで落ち着いて走れるかに懸かっている。スタミナはあるので距離はこなせそう。
6 リアアメリア 川田騎手
【長所・強み】
- アルテミスSでスローペースを軽々差し切ったように、瞬発力に優れている
【短所・不安点】
- ゲート内での落ち着きが不十分
- 元々は折り合いに課題があった
【馬場適性】
- 良馬場がいい。馬場が悪くなると精神的に走る事が嫌になる可能性があるため。
デビューから2戦はスローペースで掛かるぐらいだったが、3戦目の阪神JFでペースが速くなり逆に追走に戸惑ってしまった。しかし、折り合い面の課題は完全には払拭していないので、距離延長がプラスになるとは言い切れない。
ここ2戦の敗因がメンタル面だと思っているので、立ち直るのは難しいと思っている。揉まれそうな内枠もマイナス材料。
7 ウインマイティー 和田騎手
【長所・強み】
- 馬群の中でも競馬できる。内枠を引いたのは好材料。
【短所・不安点】
- 瞬発力が足りないので前に行きたいが、ゲート内での落ち着きがなく出遅れる可能性がある。
【馬場適性】
- 速い馬場だと俊敏さが足りないので分が悪い。
- 馬場が悪くなっても苦にしないので、道悪になって欲しかった。
速い馬場になりそうなので、この馬には不向き。
8 スマイルカナ 柴田大騎手
【長所・強み】
- スタートが速く、ダッシュもすぐにつくので前のポジションを取れる
- 毎回一生懸命に走り、諦めずに最後まで走り切る
- 馬体重の軽い馬で前走の重馬場は厳しい条件だったと思うが、それでも走り切るというのは精神面が強い証拠
- 脚を溜めて逃げる事もできる。直線でもう一伸びが可能。
【短所・不安点】
- 走りたい気持ちが強く掛かる面がある。逃げた方が折り合いはつきやすい。
- 前走、レース前のテンションが高かった。落ち着きは欲しい。
⇒長距離輸送がなくなるのはプラス材料
【馬場適性】
- 道悪自体はこなせるが、パワータイプではないので良馬場の方が合いそう
- 逃げ馬なので速い馬場は歓迎
2400mの距離はやってみないとわからないが、折り合いがつけば3歳牝馬同士ならこなせる可能性はある。他馬からプレッシャーをかけられなければ。
10 ミヤマザクラ 武豊騎手
【長所・強み】
- 京都2歳Sを見ると、スタミナがある。2400mの距離ではアドバンテージ。
- 長く脚を持続できる
【短所・不安点】
- 掛かる面が出てきたのは、前走から距離が延びる今回は不安なところ
【馬場適性】
- パワーがあるタイプに見え、時計が掛かった方がアドバンテージになりそうだが、前走重馬場でそこまで走れなかった。悪くなりすぎなければ。
- 速い馬場だと瞬発力がない分、分が悪い。他馬より先に動きたい。
スタミナはある馬だが、折り合いが課題になる。
2歳時からオークスで狙いたいと思っていた馬。気になる点はあるが、上位評価したい。
11 リリーピュアハート 福永騎手
【長所・強み】
- メンバー中唯一、オークスと同じ舞台の東京2400mでの勝利がある
- 長く良い脚を使えるので、舞台設定は合う
【短所・不安点】
- G1のレベルに対応できるか
【馬場適性】
- 道悪でも好走しているが、パワータイプではなさそうなので良馬場の方がいい
メンバーレベルが上がって太刀打ちできるかが鍵。同舞台での勝ち鞍があるので一応押さえておきたい。
14 フィオリキアリ 田中勝騎手
【長所・強み】
- どんな馬場でも堅実に脚を使えている
【短所・不安点】
- 差し馬だが瞬発力がすごくあるわけではないので、展開や馬場の助けが欲しい
【馬場適性】
- 今までは良馬場だと差し届かず、道悪になって好走している。馬場は悪くなった方が良い。
2400mの距離は微妙だが、馬場が悪くなれば押さえたい。
16 ウインマリリン 横山典騎手
【長所・強み】
- 他馬との接触があっても馬場が悪くても、安定して力を発揮できる。走る事に対して真面目。
- 馬群の中にいても競馬できる。⇒内枠の方が良さが活きた
- 折り合いに不安がない。⇒2400mの距離ではアドバンテージ
【短所・不安点】
- 強いメンバーと戦うのは初めてで通用するかどうか。
【馬場適性】
- 少し緩く、パワーの要る馬場でも走れている。多少の悪化は心配なさそう。
- それでも馬体はパワー型ではないので、良馬場の方が合うか。
競馬での不安点はほぼない。あとは力が通用するかどうか。
17 マルターズディオサ 田辺騎手
【長所・強み】
- 接戦に強い。負けん気がある。
- ポジションを問わず競馬できる自在性がある。
【短所・不安点】
- 掛かる面が出てきた。前走から距離が800m延びるので、これはマイナス材料。
【馬場適性】
- 前走、水分を含んだ馬場でバランスを崩していたので、馬場はできるだけ乾いて欲しい
掛かる面があるので、外枠で前に壁を作るのが簡単ではないのは苦しい。能力がある馬なので一応押さえておく。
18 サンクテュエール ルメール騎手
【長所・強み】
- 折り合いがつくのは2400mの距離では強み
【短所・不安点】
- スタートを切る体勢が悪く、すぐにダッシュがつかない時がある。前走は普通にスタートを切れたがまだ安心はできない。
⇒ダッシュ自体は速い。スタートはしっかり決めたい。
- 加速に時間が掛かる
【馬場適性】
- シンザン記念でパワーを要する馬場を、前走で雨で重くなった馬場をクリア。時計が掛かる馬場は得意。
⇒瞬発力がそこまでなく、速い馬場よりは多少道悪が残った方が良い。
折り合いはつくが、距離延長はどんと来いというタイプでもないので大外枠は苦しい。ジョッキーの手腕に期待。
現時点での予想
◎ミヤマザクラ
〇デアリングタクト
▲デゼル
☆クラヴァシュドール
△ウインマリリン、アブレイズ、マルターズディオサ、ホウオウピースフル、スマイルカナ、リリーピュアハート
◎ミヤマザクラは、スタミナがあると感じて2歳時からオークスで狙いたいなと思っていました。折り合いは心配ですが、武豊騎手の手腕に期待したいです。
〇デアリングタクトは、前走桜花賞は強かったですし、距離もこなせそうな気はしますが、敏感な馬なので折り合いが心配です。折り合いがつかなければ負ける事も想定しています。
▲デゼルは、まだ2戦しかしておらず能力が測り切れていないので、G1でも通用するかですが、前走の勝ちっぷりと折り合い面の不安が少ないことから3番手にしました。
☆クラヴァシュドールは、安定した成績ですが勝ち切れていません。思い切った騎乗をすれば優勝まであるかもしれません。
最終的な予想はTwitterに書く予定です。
▼詳しい情報はJRAのHPをご覧ください。