天皇賞(春)が5月3日(日曜日)に行われます。
雨予報が出ていますが、レースが終わるまで耐えて欲しいなと思います(^^;)
この記事では、
- コースの特徴・レース展開予想
- 前哨戦の短評とレベル
- 出走馬の特徴
を考えていきます。
最後に予想を書いています。
G1 天皇賞(春)
京都競馬場(Cコース) 芝3200m 外回り
コース・このレースの特徴
向正面をスタート地点に、コースを1周半。直線は平坦だが、向正面の半ばから上って3コーナーで下る高低差4mの坂が存在する。これを2回上るわけだからスタミナがなければ勝負には加われない。
スタートからの流れを説明していく。
まず、スタートするとすぐに上り坂があり、最初のコーナーまで400mあるのでペースは上がりづらいと考えるのが普通。しかし、例年先行争いの勢いのままに、そのまま下り坂に入るためペースは落ちないことが多い。
⇒最初の1000mはペースが流れる
1周目の直線に入るとペースは緩む。しかし、序盤のペース次第ではここで前へ動いていく馬もいる。
1コーナーから向正面の半ばにかけてはペースが緩むことがほとんど。
⇒1000m~2000mの間はペースが落ち着く
落ちたペースが再び速くなるのが、残り1000m辺りから。過去のレースラップを見ると、ロングスパート戦になりやすい。
まとめると、序盤のペースは流れ、中盤は緩む、残り1000mからのロングスパート戦になる。このような傾向がある。
あとは枠順について。
道中のペースが速くなった時にもジッとしてスタミナを温存できる内枠の馬は有利になる。
2年連続人気薄で好走したカレンミロティックも内枠だった。自分はこのイメージが強く残っているので、毎年内枠は注意している。
今年のレース展開予想
先行馬が少ないメンバー構成。逃げるのはダンビュライトか。
普通にいけばペースは落ち着きそうだが、それを見越して各馬いいポジションを取りに行こうとすれば逆にペースが上がる可能性もある。
最初のペースが落ち着いても、途中で動いていく馬もいそう。
あとは、キセキのゲート次第でレースの流れは大きく変わる。
出遅れずにスタートすれば、自らのスタミナを活かすペースで、他馬には脚を溜めさせないペースで先行すると思われる。
出遅れれば、前走みたく引っ掛かってしまうか、折り合いがつけば途中から動いていく。
ペースはなかなか読みづらい。
前哨戦・ステップレース
天皇賞(春)の出走馬が走った前哨戦・ステップレースについて振り返ります。
◆(参考レース)’19 有馬記念・G1 中山 2500m
4着 フィエールマン
5着 キセキ
10着 エタリオウ
13着 スティッフェリオ
前半からペースが速く、緩むところはあったもののほとんどペースが落ちないタフな流れ。真ん中より後ろにいた馬が上位を占め、持久力が問われた。
フィエールマンは中団から3,4コーナーで動いていき、最後は後ろにいた馬にかわされたが強い競馬をしている。
キセキは出遅れ。最後は伸びてきて力は示したが、器用さが足りない分先行できなかったのは厳しかった。
◆2/22 ダイヤモンドS・G3 東京 3400m
1着 ミライヘノツバサ 54kg
2着 メイショウテンゲン 55kg
ペースがガクッと緩むところなく流れ、長距離らしいスタミナ比べになった(上がり3Fが38.1)。
ミライとテンゲンの斤量差は1kg。ミライは内をロスなく、テンゲンは外を回って来たので、通って来た距離を考えればテンゲンの方が強い内容。
2頭ともスタミナがある。
◆3/22 阪神大賞典・G2 阪神 3000m
1着 ユーキャンスマイル
2着 トーセンカンビーナ
3着 メイショウテンゲン
5着 メロディーレーン
7着 キセキ
中団より後ろにいた馬のワンツースリー。
前半はゆったりしたペースも、後半残り1400mから11秒台のラップが続きかなりのロングスパート戦になった。持久力が問われた。
ユーキャンスマイルは完勝。キセキは大きな課題を露呈。
2着以下は馬場や展開次第で着順は変わりそうで力は拮抗していそう。
▼阪神大賞典の詳しい回顧はこちらの記事に書いています
◆3/28 日経賞・G2 中山 2500m
1着 ミッキースワロー
2着 モズベッロ
3着 スティッフェリオ
6着 エタリオウ
残り1000mあたりからペースがグッと上がるロングスパート戦。パワーが必要な馬場も相まって持久力が問われた。中団より後ろにいた馬が上位5頭のうち4頭を占めた。
ミッキースワローはこの距離でも結果が出た事、モズベッロは相手が強くなっても対応できた事、スティッフェリオは中団のポジションから・距離が伸びても結果が出た事がそれぞれ収穫だった。
▼日経賞の詳しい回顧はこちらの記事に書いています
レベルが高かったレースは?
どれが特にレベルが高かったとは言えないが、どのレースも持久力が必要だった。
目立った馬を上げるならば、ユーキャンスマイルが該当する。
出走馬の特徴
1 モズベッロ 池添騎手
【脚質・特性】
- 長く良い脚、瞬発力ともに使える
- ゲート扉に反応してしばしば出遅れていた
⇒だんだん改善されてきている
- 右回りだと直線で内にもたれる
⇒最内枠で外に出すことなくスムースに捌ければ、もたれを修正するロスは少なくなるはず
- 3000m級のレースは初めてだが、それほど掛かるタイプでもないのでこなせそう
俊敏さもあり、内から捌くのも可能なはず。G1初挑戦だが、能力に底を見せていないので可能性はある。穴馬ならこの馬か。
2 エタリオウ 川田騎手
ダービーで小差の4着、菊花賞でフィエールマンと接戦を演じていて、能力があるのは間違いないが近走ではその力を発揮できていない。メンタル面が影響していると思われる。
掛かる時もあれば進んでいかない時もあって気難しさがある。最近は好位あたりで競馬をしているが、後方で脚を溜める方がパフォーマンスがいいと感じている。集中力があまり続かないから、直線だけ頑張るのが合っているのだと推測している。
ペースが速くなって苦しくなると走らない可能性もあるので、ペースは落ち着いてほしい。
思い切って後方で脚を溜める競馬をして欲しい。
私が考える【エタリオウの好走条件】は以下の3つ。
- レース当日の走る気持ち
- ペースが速くならない
- 直線まで脚を溜める
3 トーセンカンビーナ 藤岡康騎手
【脚質・特性】
- 出遅れ癖があり後方からの競馬。2,3馬身遅れることがあるのはG1ではかなりのロス
- 末脚は良いモノを持っている
- 前走で長距離を走るスタミナがあることはわかったが、瞬発力が活かせる条件の方がパフォーマンスは良く感じる。ペースが落ち着いて、直線の瞬発力勝負になって欲しい。
出遅れないことと、ペースが落ち着くのが好走の条件。
4 ダンビュライト 松若騎手
【脚質・特性】
- 2000m前後の距離ではダッシュが速くないが、2400m以上なら前に行ける
- 時計の掛かる良馬場が合っているイメージ
- ソラを使ったり、たまに力を発揮しきらなかったり、馬場入りで暴れたりと気性的に難しいところがある
- 機敏ではないので、内回りよりはゆったり走れるコースの方が良さそう
G1だと足りないイメージなので、展開は向いてほしい。
先行馬が少ないので、もしキセキが前に行けなかった時、上手く乗れば流れを味方にできる。
5 ミッキースワロー 横山典騎手
【脚質・特性】
- 軽い馬場の方がこの馬の瞬発力は活きそう
⇒今の京都の馬場は合いそう
- 道中は脚を溜めて直線で力を爆発させる方がパフォーマンスが良く感じる
- スタートダッシュが速くなく中距離だとポジションが後ろになるが、長距離になって中団あたりで脚を溜められるようなら楽しみはある
展開が向いて欲しい部分もあるが、横山騎手がどう乗ってくるかが読めないので怖い存在ではある。
6 スティッフェリオ 北村友騎手
【脚質】
- 持久力はかなりいいものを持っている
⇒それでも中距離のG1では通用しなかった
- 前走いつもより後ろのポジションからでも競馬できた
3000m超えの距離は菊花賞以来で結果も出ていないが、距離延長、脚質転換で新しい面が出れば。
7 ユーキャンスマイル 浜中騎手
【脚質・特性】
- 長く良い脚を使う
- 右にもたれる面がある。2歳時や3歳春に比べたらマシにはなったがまだ少し残っている。左回りの方が走りは良い感じがする。
- 瞬発力勝負でもある程度スタミナ比べになっても走れる点は心強い
去年の天皇賞(春)ではフィエールマンとの力差を結構感じた。1年でG1でも上位に来られる実力をつけたので、どこまで差を詰められているか。
8 キセキ 武豊騎手
この馬はゲートを出るか、それに尽きる。
ゲートを普通に出て、ある程度のペースで走って他馬に脚を使わせこの馬のスタミナを活かす、というスタイルがある。自分の競馬ができれば上位に来られる能力はある。
キセキ以外に速いペースにしたい馬が見当たらないので、出遅れると前走みたく引っ掛かる可能性がある。
急にゲートを出るようになるとは考えづらいが、名手武豊騎手に乗り替わって“奇跡“が起こるのを期待するのもありだ。
9 ミライヘノツバサ 木幡巧騎手
【特性】
- スタミナがある(前走の内容から)
- 時計が掛かった方が良さそう
内枠を引き、前目につけてじっとしていればチャンスはあるかもしれない。
10 メロディーレーン 岩田望騎手
【脚質・特性】
- 勝負所(3,4コーナー)でペースが上がった時にスッと反応できない面がある
- 脚を長く持続させて伸びてくるタイプなので、前が止まらない馬場・展開だと厳しい
- 前走でいつもより前のポジションで競馬できたのは収穫だった
4歳で成長しているのは感じるが、G1で戦うには前走でもう少し勝ち馬との差を詰めていて欲しかった。
11 メイショウテンゲン 幸騎手
【脚質・特性】
- 出遅れ癖がある
- じりじりと長く脚を使う
- ペースが上がった時に追走に苦労する面がある
上がりが掛からないと追い込み切れないので、ペースが上がってスタミナ比べになった方が良さそう。馬場も高速馬場になると苦しい。
12 シルヴァンシャー M.デムーロ騎手
【脚質・特性】
- ゲートの駐立が悪く、スタートが速くない
- フットワークが大きく、道中の行きっぷり、勝負所の反応が遅い
⇒その点、距離が延びるのはいい。京都の外回りコースも下りで加速できるのはいい。
3000m超えの距離は未知数だが、豪G1を勝ったメールドグラースに先着していたり、G2でも3着と能力はあるし、まだ秘めているものがあるとすれば楽しみはある。
14 フィエールマン ルメール騎手
【脚質・特性】
- 瞬発力に優れているが長く脚を使うこともでき総合力が高い
- ゲートが少し遅いがスタートダッシュは速いのでリカバリーは効く
- 並ばれた時に抜かせまいとする根性がある
昨年末の有馬記念で4着。アーモンドアイを負かしに行ってのもので、あの豪華メンバーで上位に来られたのは能力の証。現役トップレベルの馬。
現時点での予想(本命など)
◎フィエールマン
〇ユーキャンスマイル
▲モズベッロ
☆ミッキースワロー
△キセキ、シルヴァンシャー、エタリオウ、スティッフェリオ
◎フィエールマンは、力が一枚上だと判断してのものです。普通に走れれば勝てると思います。
〇ユーキャンスマイルは、この1年で力をつけていて力は上位でしょう。
▲モズベッロは、内枠でロスなく回ってこればもたれ癖も気にしなくてもいいし、器用さもあって馬群を割って抜けてくることもできそうなのでこの評価です。
☆ミッキースワローは、距離を延ばしていつもより良い位置をとれれば。
最終的な予想はTwitterに書く予定です。
▼詳しい情報はJRAのHPをご覧ください。