桜花賞が4月12日(日曜日)に行われます。
クラシックは一生に一度の舞台なので、開催されることになってよかったです。
この記事では、
- コースの特徴・レース展開予想
- 前哨戦の短評とレベル
- 出走馬の特徴
を考えていきます。
G1 桜花賞
阪神競馬場(Bコース) 芝1600m 外回り 牝馬限定 定量
コースの特徴
向正面は400m以上あり先行争いが激しくならない限りはペースは落ち着きやすい。
直線が長いため3,4コーナーでもペースは上がりづらい。
4コーナーの途中から直線にかけて(残り600m~200mの部分)下ると、上り坂が待ち受けている。
前半は落ち着き、後半のスピード勝負になりやすいコース形態。
そうなると先行馬が有利になりそうだが、直線が長く上り坂もあるので瞬発力があれば差しも届く。
ペースが速くなると持久力も必要になる。
桜花賞では? ~今年のレース展開予想も~
将来的には1200m,1400mに適性がある馬も出走してくるので序盤のペースは速くなりやすいのではないかと考えている。 (逆に距離不安がある場合はペースを落とす可能性もある)
ただ、今年はペースを上げて持久力を活かしたい馬(レシステンシア)がいる。
瞬発力があるだけでは乗り切れないタフな流れになると思われる。持久力がある馬を狙いたい。
前哨戦・ステップレース
桜花賞の出走馬が2020年に入ってから走った前哨戦・ステップレースについて振り返ります。
◆1/12 シンザン記念・G3 京都 1600m 牡牝混合
1着 サンクテュエール
時計が掛かる馬場状態。スローペースでも上がりが掛かった。先行有利な展開。
サンクテュエールは牡馬との対戦で接戦を勝ち切った。
◆1/13 フェアリーS・G3 中山 1600m
1着 スマイルカナ
2着 チェーンオブラブ
ミドルペース。持久力は必要な流れ。
逃げて直線突き放したスマイルカナの強さが目立った。
◆1/18 紅梅S・リステッド 京都 1400m
1着 ヒルノマリブ
スローペース。先行有利な展開。
メンバー的にはレベルもそれほど高くなさそう。
◆2/8 エルフィンS・リステッド 京都 1600m
1着 デアリングタクト
4着 エーポス
前半ややハイペースだったが、3,4コーナーでペースが緩んだことにより馬群が固まって直線へ。
先行馬は前半で脚を使っているので苦しくなり、差し馬優勢の流れだった。
それを考慮してもデアリングタクトの末脚は目立った。かなりのインパクトだった。
◆2/15 クイーンC・G3 東京 1600m
1着 ミヤマザクラ
2着 マジックキャッスル
逃げ馬はハイペースだったが、2番手以下はそれを追いかけずスローペース。瞬発力勝負になった。
ミヤマザクラは400m短縮でもあっさり対応
マジックキャッスルは内が伸びる馬場を外から差してきた
◆3/7 チューリップ賞・G2 阪神 1600m
1着 マルターズディオサ
2着 クラヴァシュドール
3着 レシステンシア
4着 イズジョーノキセキ
6着 ウーマンズハート
7着 スマイルカナ
9着 チェーンオブラブ
スローペースで瞬発力勝負になったがある程度流れたため力のない馬、距離が長い馬には厳しかった。前にいる馬に有利だった。
やはり上位3頭は強い印象。
▼チューリップ賞の詳しい回顧はこちらの記事に書いています
fevreee.hatenablog.com
◆3/15 フィリーズレビュー・G2 阪神 1400m
1着 エーポス
2着 ヤマカツマーメイド
3着 ナイントゥファイブ
8着 ケープコッド
ハイペースで持久力が問われる展開。直線でのエーポスの脚は目立った。
▼フィリーズレビューの詳しい回顧はこちらの記事に書いています
◆3/15 アネモネS・リステッド 中山 1600m
1着 インターミッション
2着 フィオリキアリ
ハイペースだったが、3番手以下は残り4Fを通過する辺りからペースを落として脚を溜めた。3番手以下は実質ミドルペースぐらいか。
時計が掛かる馬場で持久力が必要だった。
どの前哨戦が桜花賞で成績が良い?
過去10年で見ると、勝率・3着以内率ともに60%(6勝/10・18頭/30)でチューリップ賞が圧倒的に成績が良い。(他のレースはどれも大差ない。)
- 全く同じコースで行われること
- 前年の阪神JFで好走した馬はここを使う確率が高い印象で、出走馬のレベルが高いこと
が理由だと考えられる。
さらに、阪神JFに出走していた馬やチューリップ賞に出走した後にもう1戦挟んだ馬を入れると3着以内は83%(25頭/30)にもなる。
やはり同じコースの重賞で好走している馬が強いのだろう。
出走馬の特徴
1 ナイントゥファイブ 松田騎手
【脚質】
- 前走はハイペースを先行してよく粘った。持久力がある馬。前に行きたい。
2走前を見ると1600mはこの馬には長い印象。
2 チェーンオブラブ 石橋騎手
【脚質】
- スタートが遅かったが普通に出られるようになった
- 脚を溜めて末脚を活かすのが板についてきたが、瞬発力勝負では分が悪いのが前走でわかった ⇒好位あたりで脚を溜めたい
【特性】
- ピッチ走法
成長は認めるが相手が強く...。
3 スマイルカナ 柴田大騎手
【脚質】
- スタートが速く、ダッシュもすぐにつく
- スピードを落とそうと手綱を引っ張るよりは、馬のリズムを崩さない方が折り合いがつく
- 逃げても脚が溜まっていれば直線でもう一伸びできる
- 他にも速い馬がいて、逃げられなかった時に折り合いがつくかが課題
【特性】
- 折り合いを欠いても最後まで走ろうとする負けん気がある
- 関西への輸送が続くので、体が減らないか、テンションが上がらないかが不安材料
レシステンシアが外枠を引いた。この馬がハナに行ける可能性が高くなったものの、ペースを落とさせてはくれないだろう。厳しい競馬になりそう。
4 サンクテュエール ルメール騎手
【脚質】
- 瞬発力が凄くあるというタイプじゃないので前目のポジションにいたいが、スタートダッシュが速くない。そこで脚を使う可能性がある。
- 末脚のトップスピードになるまでに少し時間が掛かるので、不安は速い馬場になった時。時計の掛かる馬場はこなしている。
【特性】
- 緩んだ流れしか経験しておらず、今回は締まった流れになる事が予想され、力を出せるか。
- 間を割って伸びて来られる
シンザン記念できさらぎ賞を勝ったコルテジアに先着。能力はある。
5 マルターズディオサ 田辺騎手
【脚質】
- 前でも後ろでも競馬できる自在性がある
【特性】
- ゴーサインを出した時の反応が良い。
- 接戦でも勝ち切れるように勝負根性もありそうなのは心強い
前走、展開が向いたように見えるが、3コーナーでポジションを上げていて強い競馬をしている。上手く乗れれば勝つ能力はある。
6 ウーマンズハート 藤岡康騎手
【脚質】
- 新潟での2戦のパフォーマンスが素晴らしかった。瞬発力が凄い。
- 現段階では脚を溜めた方が力を発揮できそう
前走、展開は向いたのに末脚を使えなかったのが気になるが、阪神JF4着で実力はあるので一応押さえておきたい。
7 ヒルノマリブ 北村友騎手
【脚質】
- 瞬発力がないので前につけたい
- ゲート内の落ち着きがあまりない。出遅れると厳しくなる。
【特性・能力】
- ファンタジーS時、ペースが速く追走に少し手間取っていた。大型馬で俊敏さが足りないので時計の速い決着だと苦しい。パワーがありそうなので時計が掛かる分には良さそう。
- 直線で急坂のあるコースは初めてだが、むしろプラス材料かもしれない
相手がかなり強くなるので太刀打ちできるか。
8 リアアメリア 川田騎手
【脚質】
- 走りたい気持ちが強く、折り合い面に課題。ペースが流れそうな今回は大丈夫そうだが休み明けでテンションは気になるところ。
- 今までは折り合いを考えて後方からの競馬になっていた。
【特性・能力】
- ゲート内の落ち着きが不十分
- アルテミスSで、サンクテュエールに先着
阪神JFでは初めてハイペースを経験し、ペースに戸惑ったのか促しながらの追走になった。
折り合いが楽になりそうなものだが、メンタル的なものなのかそうなってしまった。
この部分をクリアできれば勝てる能力は持っていると思うので注意は必要。
9 デアリングタクト 松山騎手
【脚質】
- 瞬発力はかなりのもの
- 反応が良く加速が速いので、内で脚を溜めた方が切れ味は活きそう。デビュー戦では馬群の中でも競馬できていた。
【能力】
- エルフィンSでは、フィリーズレビューを勝ったエーポスに圧勝している
今まで直線が平坦な京都で瞬発力を発揮してきた。今回は急坂のある阪神で同じような切れ味が発揮できるか。
10 フィオリキアリ 藤井騎手
【脚質】
- 前半のスピードの乗りが悪く、ペースが速いと促しながらの追走になる
- 直線での加速にも時間が掛かり、上がりが掛かる展開でパフォーマンスを上げている。速い馬場になりそうなのはマイナス材料。
11 クラヴァシュドール M.デムーロ騎手
【脚質】
- 今まででパフォーマンスが高いのは脚を溜めた時。前を追いかけるとどうしても最後甘くなっている気がする。
- 器用でどんな競馬でもできるが、思い切って道中はジッとしていた方がチャンスがあるかもしれない。
【特性】
- 1分32秒台で走ったことがあり時計が速くなるのは歓迎
- 朝日杯FSを勝ったサリオスといい勝負をしていたので能力は高い
12 インターミッション 石川騎手
【脚質】
- スタートが上手いので良い位置につけられる
【特性】
- 時計がかかる馬場しか経験しておらず、天気予報を見ると今のところ乾いた馬場で時計が速くなりそうなので対応できるか。
- 関西への輸送は初めて。
クリアすべき事が多く、相手もかなり強くなる。
13 マジックキャッスル 浜中騎手
【脚質】
- 脚を溜めた方が良さが出ている
- 前走で出遅れ。スタートは決めたい。
マイルでタフな流れは経験していないので対応できるかが鍵。
14 ミヤマザクラ 福永騎手
【脚質】
- 京都2歳S(2000m)でも牡馬に混じって好走しているようにスタミナがある。先行した方がその良さは活きそう。
- 長く良い脚を使う
【特性】
- 中距離の方が良いと思うが、前走でマイルの流れにもあっさり対応。競馬センスがある。
馬場が速くなった時にスピード負けしないかが不安材料。
15 ヤマカツマーメイド 池添騎手
【脚質】
- 瞬発力がないので、前目につけたい。⇒馬場が速くなった時には苦しくなる
【特性】
- ゲート内だったり、抜け出した時に気を抜いたり、集中力に課題がある馬。馬群で競馬したいので外枠を引いたのはマイナス材料
阪神JFを見ると距離は長いと感じた。成長でどこまでカバーできるか。
16 ケープコッド 岩田望騎手
1400mでもこの馬には長く、1600mでは...。
17 レシステンシア 武豊騎手
【脚質】
- ゲート内の落ち着きがやや不足していて出遅れる可能性は残っているが、その点では外枠を引いたのは良かった。しかし、大外なのはマイナス材料。
- スタートダッシュが速い
- スピード豊富だが折り合いつく
- 阪神JFではハイペースで逃げ、直線で突き放す圧勝。持久力がかなりある。
前走の敗戦は瞬発力勝負になったからなので評価を落とす必要はない。
阪神JFの時は完成度の違いもあって、あの圧勝劇になったが、あれから4か月経ち他の馬たちとの差がどこまで詰まっているか。
18 エーポス 岩田康騎手
【脚質】
- 自在性があり、どのポジションでも競馬できる
【特性】
- 前走、上がりが掛かる展開でパフォーマンスを上げたように持久力に優れたタイプ
- ゴーサインを出してから加速するまでに少し時間が掛かるタイプなので、スピードが問われる速い馬場になると苦しい
展開は向きそうなので、速い馬場にならなかった時には抑えたい。
現時点での予想(本命候補)
雨予報が出ていますが、そこまで馬場が悪化しないと考えて印をつけました。
◎マルターズディオサ
〇レシステンシア
▲デアリングタクト
☆クラヴァシュドール
△リアアメリア、マジックキャッスル、ミヤマザクラ、サンクテュエール、ウーマンズハート
書いただけでもワクワクする素質馬揃いの1戦ですね(笑)
レシステンシアに本命を打つ予定でしたが、大外を引いてしまいました。
スタートが速い馬なので大きな不利ではないですが、ロスは多少なりともあります。
そこで◎はマルターズディオサにしました。派手なパフォーマンスはしていませんが、堅実ですし阪神JFの時についた差は詰まっているとみます。
〇のレシステンシアは外枠で、内で揉まれることはなくなりました。
この馬のペースでいければ前走のようなことはないですし、武豊騎手のペース配分もすごくうまいので巻き返しに期待です。
▲のデアリングタクトは前走のパフォーマンスが圧巻。
あの脚を今回のメンバーでも使えるようなら一気の頂点獲りもありえます。
☆のクラヴァシュドールは善戦していますが、勝ち切るのは一工夫必要とみました。
思い切った競馬ができれば逆転もあるかもしれません。
△をつけた馬にも勝つ可能性がありますが、気になる点が上位馬よりも大きいと思いました。
最終的な予想はTwitterに書く予定です!
▼詳しい情報はJRAのHPをご覧ください。